2022/02/16 08:18



服のお手入れ方法は、人によりさまざまな習慣や流儀があります。

これまで日々の服を9万枚以上お届けしてきて、お客様からのご質問や、お悩みを聞くことがありましたので
作りながらわかってきた「自然素材」を長く使うための、お手入れのコツをお伝えします。


シャツ

1. 洗う
汗をかいたら脱ぐ前に洗剤液を作っておいて、すぐに水洗いすると黄ばみを防ぐことができます。
蛍光剤が入っていない中性洗剤を使ってください。
部分汚れには固形石鹸をつかって、お洗濯用ブラシでぎゅっぎゅと押す。
こすると毛羽立ちの原因になるので繊維のすきまにブラシを入れるイメージで行います。

事例:リネンの白いシャツ
住宅用の「塩素系漂白剤」が飛び散ってしまって部分的に赤い線ができたという相談。
→「酸素系漂白剤」を試していただき、解決しました。

2.干す
色物は色あせ防止、白い服は日焼けしないためにも日陰か室内干しをおすすめします。
日常に着る場合はノーアイロンでいいと私は思っています。ただ、リラックス感をこえて、くしゃくしゃはよろしくないので
お洗濯の仕上げにひと手間。脱水は軽めに、全体的にしわを伸ばしながら、衿・カフス・前立てはさらに手アイロンで丁寧に整えて干す。

3.アイロン
手アイロンだけでも気持ちよく着ることができますが、物足りない場合は〈衿・カフス・前立て〉に軽くアイロンをかけるだけでも効果があります。
さらに、本格的にアイロン仕上げをしたいときは、3つの上級ポイントがあります。
・肩に折り目をつけない
・衿ぐりをきれいなカーブにセットして(身頃がわに)アイロンをあてる
・ステッチや縫い目を伸ばしながらかける

ウール
1. ドライクリーニングがおすすめの理由
ウールの原料の羊毛には髪の毛のようなキューティクル層があり、水に浸すとその層は開いてしまいます。
その結果、パサついて、しっとり艶やかな風合いが損なわれます。

2. ウエットクリーニング
もともとウールは汚れがつきにくい素材なので頻繁に洗う必要はありませんが、シャツやインナーなど肌に直接触れるものは
シーズン終わりにウエットクリーニングを行うと安心です。
素材によっては安定性が低い場合もあるので、寸法変化やねじれ(斜向)に注意してほしい旨をお店で伝えることをお忘れなく。

事例:ウールのシャツ
ドライクリーニングで縮んだ→溶剤に何らかの問題があったのではないかと思われました。
→お店の担当者にお話しして、プレスで伸ばしていただくも完全な寸法には戻らなかった。

3. 毛玉
ウールには「クリンプ」という自然な撚りがかかっていて、それがこすれて毛玉になります。
紳士物のスーツなどに用いられる梳毛という糸はできにくく、反対にカシミヤでもざっくりした繊維は毛玉ができやすいです。
防止するには着た後は丁寧にブラシをかけるのが効果的。
毛玉になったらハサミでカットするのが、手間ですがウールの適切なお手入れ方法になります。クリーニングの際にお願いできるお店もありますので相談してみてもいいかもしれません。

最近は毛玉にならない、水洗いも可能。とうたったウールもありますが、
加工によってウール本来の保温性が発揮できなくなるので、心地よさが損なわれる点で個人的には疑問を感じます。


時々、日々のお客様から10年近く愛用して「擦り切れてしまったから同じ服がほしい」というお電話をいただくことがありますが、
自然素材は、正しく扱うことで気持ちよく長く着ることができるので、よかったら試していただければと思います。

小森縫製有限会社
代表:小森真寿美


PS
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